【宝を探しに】3NEW!

「で、宝ってどんなんだよ?」

崇とライは歩いていた。

「それはあなたが自分の目で確かめればいいわ。」

「お前は知ってんのか?」

「崇くんの想像にお任せするわ。」

「なんで、俺の名前知ってんだよ。」

「崇くんの想像にお任せするわ。」

「ちゃんと答えろよ。」

「ちゃんと答えてわよ。日本語で、きちんと答えてるわよ。」

ー2回も言わなくていいってー。

崇はそんな事を思っていた。

「はい!着いたわよ。」

「うわ…。なんかいるけど…。」

先には色んな動物的ものが居た。

「あそこに宝があるの。」

ライは小さな洞窟を指で指した。

「なんで、知ってんだよ。」

「崇くんは知りたがりなのね。でも、教えない。」

「なんだよ。それ…。おい、『教えない』ってことは知ってるってことかよ?」

「さあね。」

「教えろよ。」

「さ・あ・ね。」

ライは歩き始めた。

それについて行こうと崇も歩き始めた。

「崇くん。」

「なんだよ。」

ライが後ろを向いて、止まると崇も止まった。

「あれ倒して。」

ライが指したのは、ライオンだった。

「なんで…。俺なんだよ…。」

「そのステッキあるでしょ?」

ライは崇が持ってるステッキを見た。

「お前が倒せよ。」

崇はライにステッキを押し付けた。

「男の子でしょ。男の子。」

「うっせーな。はいはい。分かりましたよ。」

崇はステッキを振った。

ズーッ…。

星がライオンのもとへ転がっていった。

ドッォォンー!!

星がライオンのにぶつかると爆発した。

その爆発で砂煙と煙がでた。

しかし、煙と砂煙が消えた後、ライオンの姿はなかった。

「おっ…。おい…。ライオンは…?」

「さあね…。行きましょ。」

ライはまた、歩いて行った。


崇もついて行くように歩いて行った。

「ねえ。崇くん…。」

「なんだよ…。」

「後ろ。」

「後ろがどうしたんだよ…。」

「走って!」

ライは崇の手を引っ張り走った。

「ちょま…!」

2人は走り始めた。

「なんだよ!」

崇は後ろを振り向こうとした。

「やっぱ、後ろ振り向かないで!」

「おっ…。おい…!なんだよ…!」

ライは崇と共に草むらに飛び込んだ。

「もう、大丈夫だわ…。」

「なんだったんだよ…。」

「熊。あなた、食べられそうだったのよ。」

「熊くらい、別に平気だよ…。」

「実際に見てみたら、今の熊。」

「なんだ、それ熊に食われろって意味かよ。」

「そんなことより、早く宝探しに行きましょ。」

ライたちは立った。

2人は歩いていると…。

「着いたわよ。」

「ここか…。小せえな…。」

崇とライは洞窟に入った。

「おっ…。おい…。」

崇が見たのは崖の向こうにある宝だった。

「あれ、取れねーじゃん!」

「そうね…。」

「てか、小せえ洞窟だな…。でも、ここの崖の下は奈落だな…。」

「そうね…。」

「なあ、1つ気になったんだけどさ…。」

「なあに?」

「お前…。なんで、俺がくる前に宝取らなかったんだよ…。俺がこなくても、お前頭良さそうだし、取り方くらい工夫したら取れそうだろ…?」

「…。」

ライは黙りこんだ…。

「お前は俺に何をさせたいんだよ!」

「…。」

「黙ってねえで答えろよ!」

「フッ…。」

ライは小さく笑った。

「何、笑ってんだよ…。」

「崇くん。私の目的は宝なんかじゃないの…。」

「あ?」

ライは崇を押した。

「おっ…!おい!」

崇は崖から落ちた。

「お前の目的って俺を殺すことだったのかよ!」

「さようなら…!」

「待て!待てよ!」

「あなたはこれから、人生の地獄に…。」

ライの声が小さくなっていく。

「お…てい…く…。ど…、た…と…もう…。………。…………!」

「おいっ!なんだよ!なんなんだよ!」

崇の視界は真っ暗になって行った。

「ハッ!」

目覚めるとそこはヘッドの上だった。

「なんだ…。夢かよ…。」

「崇!!」

遠くから母の声が聞こえた。

「あんた、手紙が届いてるわよ!ほれ!宛先は誰か分からないけど…。とりあえず、読んどきなさい。」

母は崇に手紙を投げた。

崇はうまくキャッチした。

「亮かな…?」

崇は手紙をの封筒をあけ、折りたたんでいる便箋を開いた。

手紙にはこう書いていた。

「崇くんへ
久しぶりかな…?
何年ぶりだろうね。
あの時、崖から落としてしまい、
申し訳ありませんでした。
崇くんはきっとなんでも
乗り越えられるはず。
自分がボロボロなったとしても、
好きな人が誰かを好きになったとしても、
たとえ、誰かに死が訪れたとしても…。
私はずっと崇くんたちを見守ってます。
ライ・ロジャースより」

「『何年ぶり』って、ついさっきだろうが…。」

崇は呟きながら手紙を読んだ。

「『ずっと見守ってる』…?しかも、崇くん『たち』ってどういうことだよ…。」

ー数日後ー。

崇は亮が入院している病院へ行った。

崇は亮にライと旅をしたことを伝えた。

「…。ってことがあったわけよ。」

「はは…。それは大変だったね。」

亮はくすっと笑った。

「あ、崇に言いたいことがあるんだ。」

「なんだよ…。」

「崇は僕の親友だから、言っておくね。」

「早く言えよ…。」

「僕ね。病気なんだ…。もう、治らないかも…。」

「…は?何言ってんだよ…。」

「手遅れかもしれないんだ…。もしかしたら、死ぬかも…。」

「ふーん…。」

「なにそれ!?心配してくれないの?」

「別に…。」

崇は亮と別れ、病院から出た。

空は橙色だった。




END