【私と君の非日常生活】1
1
9月5日。
今日もいつもと変わらない一日。
「おはよ!ゆうき!」
「おはよー。」
「「おはよ」」
一緒に登校してた祐樹と結城が同時に言った。
「ひゅーひゅー♡家は近く幼馴染。そして、登下校は一緒♡もう夫婦じゃん♡」
知香が茶化す。
「う…。うるせーな!」
祐樹が言った。
「ぷぷ♡ほーんとお似合いだね!」
雅美まで茶化す。
「うっせーな!どっか行けよ!」
祐樹が言うと、
「わー!逃げろー!」
知香がそう言って、雅美と2人で逃げた。
「…。」
結城がため息をついた。
そうして、学校に着いた。
そして、3限目。
「先生!今日ってテスト返ってくるんだよな!」
大樹がでかい声で言った。
「岡本。お前、嬉しそうだけど、点数見てから言えから喜べ。」
「はっ!俺、今回自信あるし!隆平と知香には絶対勝ってるし!」
そう言うと、知香は立ち上がった。
「はあ!?ふざけないでよ!私、あんたにいっつも勝ってるし!」
「そう言っても、1、2点でしょ?変わらないじゃん。」
雅美が口を挟んだ。
「何よ!雅美、いっつも、100点だからって調子にのらないでよ!」
「いい加減にしろよ!」
隆平が立ち上がった。
「隆平…。隆平も点数悪いのに、隆平は気にしてないの?」
「知香!それ言っちゃ駄目!てか、あんた、隆平とそんな点数変わらないからね!」
雅美がつっこむ。
「俺は、そんなことどうでもいい。みんなが…。」
「隆平…。あんたたまには言い事…。
雅美が言おうとしたとき、
「俺の下で居てくれば!」
「死ね!隆平!このビリに近いやつ!」
知香が言った。
「はいはーい。静かにしろ!」
山田先生が言った。
「今からテストを配る。はい石田。」
「はい。」
「五十嵐。」
「ん。」
「大山。」
「はーい。」
「岡本。」
「うい!」
大樹が山田先生からテストを返してもらうと、一番前の席の結衣の机に乗り立ち上がった。
「見ろよ!この点数!おれ最強だよ!」
大樹は得意気にテストを全員に見せようとする。
そのテストの点数は69点だった。
いつもは1ケタの大樹が今回69点だなんて全員は驚いた。
そして、全員が返して貰った時。
「おいおい?知香と隆平は俺に負けて悔しいのかな?点数見せろよ?」
「今回の平均点を言うぞ。」
山田先生はでかい声で言う。
「今回の平均点は『92点』だ。」
「はあ?知香!お前何点だよ!」
「私…?私は75点…。あんたなんかよりずっといい点数だし!もう、あんたが61点で喜ぶの見て大笑いだよ!」
「隆平…。お前は…?」
「俺?72だけど…。」
今回のテスト平均が92点なので、半分以上が92点をとっている。
しかし、知香と隆平と大樹が二十点以上平均点と差がついてるいので、知香と隆平と大樹だけが平均点以下という可能性もあるのだ。
そして休憩時間。
「結城〜?何点だった?」
麻衣が言った。
「え?97点…。
結城がそう言うと…。
「へー?結城は97点か。祐樹も97点だって。やっぱ何もかも一緒だな。結婚しちゃえよ!」
大樹が言った。
「はあ?ふざけてんなよ!」
麻衣が言った。
「結城はそう言われて嫌なんだよ!分かれよ!」
「無理だよ!だって楽しいじゃん?」
大樹は逃げるように何処かへ言った。
「なんなの?大樹。」
麻衣が愚痴のように言う。
「まあ、いいんじゃないの?あいつはあいつで。個性なんだしさ。」
結城が気にしなさそうに言った。
2
次の日。
「おはよう。結城。」
結城は家出たときには、もう、祐樹は居た。
「おはよう。」
2人は無言で歩き始めた。
信号が青だった。
横断歩道で歩いていると、結城がつまづいた。
「おっと…!」
祐樹が結城の手を引いた。
そうすると祐樹が後ろに倒れた。
しかし、結城もバランスを崩し、後ろに倒れかけた。
そして、結城は祐樹と頭をぶつけた。
ゴチン!
にぶい音が鳴った。
「いった…。」
祐樹は頭を抱えて言った。
「余計な事しないでよ…。」
結城は起き上がった。
「あれ?」
祐樹は寝転がって言った。
「早く起き上がってよ。」
結城は後ろを向いた。
「おい。お前…。」
「あんた…。私じゃ…。」
2人は混乱した。
「お前は俺か?」
「何言ってんの?あんたが…。ちょっと待って。頭整理する。」
祐樹は結城が考えている間に起き上がった。
「これって…。『身体と心が入れ替わった』ってやつじゃない?」
「はあ?」
「だって見て。自分のランドセル。」
「俺…。赤だ…。てかスカート履いてるし!」
「うるさい。とりあえず歩こ。」
2人は歩き始めた。
「どうすんだよ。これ。」
「とりあえず、みんなには内緒。言っても信じないし、信じたとしてもからかう奴が増えるだけ。」
「最悪だ…。」
「それはこっちの台詞。」
「これからどうする?」
「とりあえず学校行こう。話はそれから。」
「うん。」
2人は学校へ行った。
9月の6日。これから2人はどうなるのか。
続く